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投稿者: 山田尚矢
2010/07/13 2:21 

大まかな作業工程は、

  1. 解装
  2. 塗装剥離
  3. 腐蝕部分の貼り接ぎ
  4. エポキシ含侵
  5. 各部補強
  6. フェアリング
  7. 塗装
  8. 艤装
  9. チューニング

です。 

1. <解装>

まずは解装作業ですが、一つ一つの部品に触れる度に消耗具合をチェックしたり、あれこれと思いを巡らせている内に、アッという間に時間が経ってしまいます。
手早く写真を撮り、部品をどんどん外して行きたい処ですが、新しい艤装のアイデアや、後工程の段取り等で、なかなか捗りません。

 Y-15マーク3 トランサム部ドレンホールのフラップ

でも、ココをこうしようとか、アソコにはこんなのを使ってみたいとか、一服しながら色んな事に思いを巡らせている時が、一番楽しいのも事実です。


2.<塗装剥離>

ただでさえ肉厚の薄いハルをオーバーサンディングしてしまっては、元も子もありませんので、薄皮を剥ぐようにペイントだけを上手く剥離してやる必要があります。

そこで、アクアストリップという剥離剤を試してみる事にしました。
送料込みで、¥12,000-。

 アクアストリップ

この春に、補修改装した屋形船の古い手すりがあるので、そいつで色々と試してから使いたいと考えています。


3.<腐蝕部分の貼り接ぎ>

現在把握できている腐蝕箇所は、

コックピット内のポート側クルー足元の底板
トランサムニー周辺
だけですが、ペイントを剥離すればワンサカ見つかるかも知れません。

コックピット内の底板とは、即ち外板です。
薄い外板を支える為に、補強材としてバテンが貼り付けられているのですが、荷重を受けてその部分のペイントが剥離し、そこから水を吸い込んで腐蝕したようです。
爪で軽く擦ってもポロポロと崩れ、大穴が開いてしまっています。

 Y-15マーク3 コックピット内のポート側クルー足元の底板

レストアと言うからには、出来る限りオリジナルの状態に戻してやるのが筋で、板を貼ってあった場所には板を貼り直すべきだと思います。
しかし、マリングレードの合板は入手困難で、たかだか10cm四方程度の貼り接ぎの為に、わざわざアメリカから輸入するのも気が引けます。
10月のレースに間に合わせる為に時間の制約もありますので、今回は木材を使っての貼り接ぎではなしに、ガラスクロスをエポキシで積層して補修する事になりそうです。

5プライでBS1088認定のプライウッドが、$80程度で手に入るアメリカが羨ましく思えます。


4.<エポキシ含侵>

エポキシ樹脂を木部に塗り込み、腐蝕の元凶となる水分を遮蔽します。
樹脂を出来るだけ深く含侵させる為に粘度は低い方が良いのですが、溶剤で薄めてしまうと強度が不足してしまい、本末転倒となりかねません。
http://www.westsystem.com/ss/thinning-west-system-epoxy/

West SystemInternationalやSilverTip等、数々のメーカーから多くの種類の樹脂が販売されていますが、System ThreeCLEAR COATという樹脂は、25℃での粘度が190-210cpsという事で、これを試してみようかと考えています。

問題は湿気との闘いです。
作業場は雨こそ当たらないものの、野外です。
おまけに、時まさに梅雨の真っ盛り。頭の痛い問題です。


5.<各部補強>

現在の処、強度が不足していると思われる箇所は

底板とバテンの接合部
センターボード・ケース
トランサム・ニー周辺

です。

底板とバテンの接合部にはフィレットが付けられておらず、ハードスポットとなってクラックが発生し、剥がれたペイントの隙間から水分が沁み込み腐食が拡がった様子なので、この部分はエポキシのフィレッティング用パテで補強したいと考えています。

 Y-15マーク3 底板とバテンの接合部

センターボード・ケースの前部に見られる割れは、どの様にして出来たものなのか不明ですが、構造的に脆弱なのであるならば、何らかの補強が必要でしょう。
現状では、上からアルミのアングルをビス止めして、割れの拡がりを押さえていました。

 Y-15マーク3 センターボード・ケースの割れ

トランサム・ニー周辺は、オリジナルのニーを両側から挟む形で板材とFRPにより補強がされています。
かなり汚らしい補強なので、スッキリとさせたい処です。

 Y-15マーク3 トランサム・ニー周辺

10代の頃、フォーミュラーカーのコンストラクターで丁稚をしていた事がありましたが、フレームを溶接ではなくロウ付けしてある箇所があり、親方に恐る恐る尋ねてみると、「クラッシュした時の為に、わざと弱い部分を作っておけば損傷はそこから先に及ばずに済むし、修理の際にはロウを溶かすだけで交換できるからだ。」と教わりました。
マストを支える重要なパーツでありながら、マストパートナーのように、強固な接着により固定したりせずにボルト止めにしてあるのは、そういう意味もあるのでしょうか。
何処かを補強すればバランスが崩れ、他の部位に影響を及ぼす事も充分に考慮し、マーク3の持ち味である軽量さを損なわない様にしなければと考えています。


6.<フェアリング>

ガチガチに固まったエポキシ層を、ひたすらサンディングとパテ付けの繰り返しで面出しをしていく、地味~な作業です。
エアー・ツールが使えれば良いのでしょうが、ストレス無くサンディングするには大きなコンプレッサーが必要となり、現実的ではありません。
かと言って素手で削れるわけも無いので、電気サンダーを使うために建設業の友人から発発を借りました。


7.<塗装>

紫外線に弱いエポキシ層を保護する為にも、塗装が必要です。
一般には、車の補修塗装にも使われるウレタン系の塗料を使うのがコスト的にも最善かと思いますが、もしも安価で入手する事が可能ならば、塗師屋の友人とも相談してフッ素系の塗料を試してみたいなぁ、とも思っています。


8.<艤装>

現行のシステムで不満があるとすれば、アウトホールをコックピットまでリードして、もう少し楽に操作出来ればなぁと思います。

交換しておきたいパーツは、挙げていけばキリが無いのですが、

リギン・ハリヤード類。
シート・コントロールライン類。
マストステップ。
カムクリートの樹脂パーツ。
セルフベイラーのパッキン。


などは、最低限交換する必要があるでしょう。

トラベラーのブライドルも現行のステンレス製をやめて、スペクトラを使ったシート・ブライドルに変更したり、アイ類も使える所にはスペクトラの輪っかで代用すれば、僅かではありますが軽量化に繋がるかもと思います。


9.<チューニング>

本来ならば、一番時間を掛けたい工程ですが、このままのペースで行くとレース当日がシェイクダウンなんて事にも為り兼ねません。
しかし、月に一度のクルーザー・レースに出るだけで、ディンギーのレースが2年ぶりの私にとっては、乗り手のチューニングが最重要課題かな、とも思っています。

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